外国人留学生の受け入れについて考えてみた

私には外国人の家族がいますが、国際結婚したというわけではなく、その正体は「外国人留学生」です。
私の実家ではこれまで欧州、アジアから7人の留学生を受け入れてきました。いわゆる「ホームステイ」というやつで、留学生を受け入れる私たちのような家族のことを「ホストファミリー」と呼びます。


留学生は15才~18才の高校生で、留学を斡旋する団体(YFU、IFなど)に登録して、その団体がホストファミリーや受け入れ高校を探します。留学期間は約10か月で、留学中はホストファミリーの家族の一員として過ごします。

 

私たち家族が留学生を初めて受け入れたのは2007年春。私が高校3年生になるときでした。ちなみに、私の家族は両親、兄、私、弟の5人プラス小型犬3匹で、家は市内の普通のマンション(80㎡ほどの4LDK)です。

留学生が同時に2人いたときは、私の部屋に二段ベッドを入れて私は両親の寝室で寝てました。

 

このように、長期に渡り留学生を受け入れてきた私がそのメリットとデメリットについて考えてみました。

 

【メリット】

・海外旅行が格段に楽しくなる
海外旅行に行く時は帰国した留学生やその友達の家に泊めてもらうので、一般の観光旅行では味わえない家庭料理や地元の人ならではの地域の楽しみ方を体験出来ます。例えば、スイスでは山に登って壮大な景色を見ながらチーズフォンデュしたり、地域のクリスマスパーティーに参加したり。また、滞在中は大体タダで泊めてもらっているので、ホテル代、食費などをかなり抑えた低コスト旅行が実現出来ます。

 

・コミュニケーション力がUPする

私は子供のころから海外に興味があり高校時代にアメリカに留学しましたが、私の兄と弟は理系で海外留学には行かず、英語教室にも通ったことはありません。そんな兄と弟ですが、英語のレベルはそこそこで外国人と臆せず意思疎通出来ます。留学生とは日本語で日々コミュニケーションを取りますが、その際には難しい言葉を使わず出来るだけ丁寧で易しい言葉を使い会話します。そのようなコミュニケーション方法が身に付き、言語に限らず外国人とスムーズに意思疎通出来る結果に繋がったのではないかと思います。

 

・家がいつも賑やか

子供のころは毎日当たり前のように会話(時には喧嘩)をしますが、年を重ねるにつれて受験勉強、進学、部活動、就職、結婚などで家族の関わりは減っていきます。でも実家に留学生がいると、せっかく日本に来てるから色々な体験をさせてあげようと留学生を連れて家族でハイキング、お祭り、映画、食事、カラオケなどに行くので、家族の関わりが途切れることがなくいつも賑やかです。

 

・留学生の成長が楽しみ

海外留学するくらいなので元々それなりに勉強熱心な子達ですが、留学することで一回りも二回りも成長します。日本語が話せるようになることはもちろんですが、高校生という若さで親元を離れて異国の地で生活することで、性格が積極的で打たれ強くなるように思います。日本に留学に来るくらいなので実家が裕福なのか、留学後も日本語や日本文化を勉強するために日本の大学に進学したり、さらにアメリカに留学したりしており彼等の将来がとても楽しみです。

 

【デメリット】
・ストレスが増える
留学生にホストファミリーを選ぶ権利はなく、ホストファミリーも留学生の限られた情報を見て受け入れ可否を判断します。宗教、食の思考、ペット可否等の最低限の情報は事前にホストファミリーに提供されますが、実際には一緒に暮らしてみないと分からないことがほとんどで、たまにプロフィールに日本食OKと書いてるのに醤油、味噌がNGだったり、ペットOKと書いてるのに犬猫NGだった等のミスマッチが発生します。このような場合、10か月という長期滞在でホストファミリー、留学生双方に過大なストレスが生じますので、受入れ前に留学生のプロフィールを細かくチェックすることと、ホストファミリー側の受入れ条件を明確に留学斡旋団体に予め伝えておくことをお勧めします。

 

・留学生から英語は学べない
英語圏出身でなくても留学生のほとんどが英語を話します。そんな彼らを使って英語の勉強をしようとする人もいるのですが、彼らは日本語を勉強しに来日しているので英語を使うと日本に留学している意味がなくなってしまいます。ホストファミリーの中には子供に英語を学ばせたいからという理由で留学生を受け入れる人もいるようですが、こういった理由での受入れはやめたほうが良いです。(注:もちろん日本語を教えるにあたり英語で意味を伝えることはありますので、全く英語を使わないわけではありませんが。)

 

・費用がかかる
ホストファミリーはボランティア活動ですので報酬は一切出ません。学費、通学費、外食費、お小遣い等は本人負担ですが、留学生が一人いることで発生する光熱費、食費等は基本的にはホストファミリー負担となります。留学生が男の子の場合、家族全員分のから揚げを一人で平らげてしまうとか、お茶碗が丼鉢サイズなんてことが発生するため、食費は二人分くらいが増えるかもしれません。

 

このように色々なことがあるんですけど、留学生を受け入れて世界中に家族が出来て、自分の人生にもプラスの影響があったので良かったと思っています日本にもっと留学生が来て日本を好きになってもらえるといいなーと思います。